※本投稿はJapanWonderTravel公式ガイドの方にお送りしているメッセージを一部修正のうえ転載しているものです。

公式ガイドの皆様、いつもありがとうございます。

今年に入り段階的に水際対策が緩和され、10月11日以降、ようやく本格的にインバウンドの復活がはじまりました。
この2か月ちょっとの間に、多くのゲストを皆様と受け入れてくることが出来ました。

集合場所等で拝見する、皆様の活気、ゲストの笑顔、全てが待ち望んでいたことであり、改めて観光の価値を感じています。

この2カ月の間に、様々なフィードバックを頂きました。一つ一つがとても貴重なご意見です。良いフィードバックも、改善を求める声も皆様の成長に役立つものであると感じているので、「何がガイドに求められているか」を簡単に共有させていただきます

個人的なゲストや地域との繋がりが満足度のベースとなる

本当にたくさんの素敵な口コミを頂いています。
是非皆様もご一読いただければと思います。

Japan Wonder Travel (Tsukiji) – All You Need to Know BEFORE You Go (tripadvisor.com)
Japan Wonder Travel (Kyoto) – All You Need to Know BEFORE You Go (tripadvisor.com)

ポイントは、口コミの多くにガイドの皆様の名前があがっていること。
個人と個人という関係がゲストとできることが、ゲストの満足度にも繋がっていることが伝わっています。

また、知識面だけでなく、フレンドリーさ、パッションといった面がゲストに伝わっていること、僕たちも大変嬉しく思います。

研修でも良くお話ししますが、どうしたらフレンドリーさが伝わるかといったことを改めて考えてみても良いかもしれません。またお店や地域との関係等もとても満足度があがる要素だとも感じています。

「開始早々、ガイドのMagicに落ちたわ!」なんてメッセージも直接頂いたりもして、オフィスにいる僕たちも皆様に元気を頂いています。

フィードバックはギフトだ

一方で、改善を求める口コミも複数頂いております。
そうしたコメントにこそ、僕たちのサービス改善のヒントがあると思いますので、皆様にご紹介させていただきながら、改善のポイントに付いても触れさせていただければと思います。

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“It was disappointing. I feel bad leaving a negative review because the host was so nice. But, he didn’t know much about the store he took us to. I kept asking him if it was a reliable store and he kept saying ‘I think so’ without much conviction. I ended up buying a knife from a store he recommended and later realized it was a tourist trap place. Very disappointing.”
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“It was nice to go through the market with a local. However, we pretty much stopped at every stall and it didn’t feel like we were taken to “the best” stalls. Ultimately, touring the market on our own would have been a very similar experience.”
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“I was hoping to sign up for this tour to not tour tsukiji market but to try some foods (as per the experience details). We literally tried one macademanian nut and one wasabi pea….all of which were just sitting out as free samples from the vendor. While our tour guide was good, our entire group was just really hungry and wanted to stop to eat”
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“It felt so scattered and no organization for the tour. Nothing different than touring yourself so do not recommend.”
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これらのフィードバックが書かれたOTAサイトからは下記の改善点を指摘されています。

  • 専門性
  • ホストにしか提供できないユニークな場所・事柄へのアクセス
  • つながり

「専門性」については、「深い理解を示しているのか」「個人的なストーリーを共有できているか」といった改善点が挙げられています。
ガイド研修で聞いた内容を、右から左に話しているだけでは、ゲストの心には響きません。どんな話をすると3Sを引き出せるのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

「ホストにしか提供できないユニークな場所・事柄へのアクセス」については、「他では見つからないものをゲストに提供する」「ゲストが積極的に参加できる機会を作る」といった改善点が挙げられています。
試食を提供する際にも、ちょっとしたストーリーをプラスしてあげること、ゲストとお店の人が会話する機会を作ってあげること、このようにすることでよりゲストは能動的に参加者となります。一方的に話していないか自分のガイディングも振り返ってみましょう。

「つながり」については、「ゲスト1人ひとりに歓迎の想いが伝わるようにする」「各ゲストの暮らしについて聞き、自身のことも伝える」といった改善点が挙げられています。
自分たちは毎日会うゲストの1人でも、相手にとっては日本であう唯一のガイドかもしれません。ぜひ、全身でWelcomeを伝えること、ゲストと個人として向き合うことも取り入れていきましょう。各ゲストが話すとゲスト同士も仲良くなり、グループツアーにおけるの満足度もあがります。

他にも、「別段面白い話もなかった」「観光地にありがち」といった項目が改善点として挙がっていました。ツアーに参加する方の多くは、ツ―リスティックな場所を敬遠する傾向にあります。THE観光地であったとしても、そうではない姿を見せられるガイディングを心がけましょう。

どんなフィードバックであっても僕たちにとってはとても大切な財産だと感じています。

具体的に今日からでもできること

ガイディングの改善点は人それぞれですが、改めて5点ほど具体的な話をさせてください。

最初の10分を見直そう

ツアーはスタートできまります。グループがまとまらない大きな原因は声が小さいか最初の10分間がちゃんとしていなかったからというケースが多いです。「この人面白いな」って思われないとゲストは自分が興味ある方向にふら~っと言ってしまいます。ここは本当に力を入れましょう。

https://japanwonderguide.com/team-building/

ゲストの名前を呼び関心を寄せよう

名前を呼ばれて嫌な人はいません。最低3回はゲストを呼びかけ雑談しましょう。「説明する」のがガイドではなく、「楽しませる」のがガイドです。

WhatだけじゃなくWhyも話そう

「これは○○だよ」という説明もいいですが、大抵のことは調べればわかることだったりします。「なぜここにつれてきたか」「なんでこれはこうなっているのか」といった「Why」に注目するとより興味深い話をすることが出来ます

自分の話をしよう

Whyを話すのも一つですが、もう一つ、Googleで調べられない話は、自分自身の話です。例えば、昆布や鰹節を説明するにしても「これは出汁のベースです」という話は誰でもできますし調べればわかりますが、「自分は毎日使っている/普段は出汁パックを使っている/インスタントの味噌汁ですましている」といった話は、その人からしか聞けない日本の文化のリアルです。

地域の人とのKNOTを作ろう

お店の人に挨拶をする。お店の人と仲良くなる。これも、大事なことです。「自分のガイディングの価値は何なのか」を考えましょう。自分が地域と繋がり、ゲストと地域のKNOTをつくるとゲストにとっては特別な時間になります。「多言語が使える」「歴史の説明をしている」だけでは、スマートフォンでゲストは事足ります。自分がいるからこそアクセスできる場所を各地域で創りに行きましょう。


フィードバックには沢山のヒントが埋もれています。

ぜひこれを活かしてさらに素敵な時間をゲストに提供していきましょう。

良いフィードバックは次のゲストに繋がります。

皆様のガイドにより、ゲストがまた日本に来るかもしれません。
ゲスト自身はすぐに来なくても、ゲストの友達が日本に来るかもしれません。

僕たちもゲストのフィードバックにより皆様の活躍を知ることになります。
そして、それを元に次の仕事を依頼したり、アサインさせて頂いています。
ぜひ、ゲストの方々に、レビュー等も依頼いただければと思います。

来年も多くのゲストが来ることでしょう。

みんなでさらに素敵な時間をお届けしていくことが出来ればと思っています。

今年も一年ありがとうございました。

良いお年をお迎えください。